男はいつも待たせるだけで~ってミス・サイゴンで思い知った夜
ミス・サイゴンを帝国劇場で観て参りました。
あたしが観た回は、
エンジニアを市村正親さま、キムをキム・スハちゃんが演じた回でして、まぁそれはそれは素晴らしかった訳ですが、
ミス・サイゴン初見にして、
「あ~ベトナム戦争の話でしょ?何かヘリコプターが飛んで、引き裂かれる話でしょ?」
位の認識しかなかったあたしは、その内容のドン暗さに、観た後言葉を失ったのです。
ベトナム戦争の悲惨さとか、女性や混血の子の権利とか、そんな事を沢山考えると、もうなんも言えねえ・・・になるので、今回はこの辺の事はすっぱり置き去りにしまして(これは個人の頭の中で、ぐるぐる考えた方が良いとあたしは思ってるので)、
何で男っつーもんは女を待たせて何食わぬ顔で生活出来るのかをチクチクいじってみたいと思います。
キムとクリス(アメリカ軍人)は、陥落迫る歓楽街←で出逢い、恋をします。
クリスは何とか彼女をアメリカに連れて帰ろうとしますが、何せドタバタのサイゴン。2人は離ればなれに。
はい、ここからですよ!!!
キムはクリスの子を妊娠・出産。ずっとクリスを待っています。
どっこいあーた!
クリスは違う女性と結婚してたんだから、てぇへんだ!!!(江戸っ子?)
え?あなたサイゴンでキムちゃんと結婚式的な儀式してませんでしたか?
キムちゃんはあーたと結婚したつもりですし、観てたあたしも、あれで結婚してないとは言わせない位の儀式感でしたよ!!!←
クリスバカなの?!!←←←
しかもね、キムちゃんと子どもが自分を探してると知って超悩むの。幸せな結婚生活を続ける為にどうするべきかって。
なっさけないったらありゃ~しない。
ほんと、あたしがキムちゃんだったら、クリスは戦争で死んでて欲しかったわと思う位、情けない男なんですよ!
でも、キムちゃんには絶対に幸せになって欲しい我が子がいる訳です。
その為に、キムちゃんは自分に出来る、最大の事をするんですねー。
悲しいお話です。
ではクリスが極端にバカなのかと言うと、そうでもないから大変です。
松山千春さんだって歌ってる通り、女はいつも待ちくたびれてる訳です。
そんでそれでも恋は恋なのです。
クリスの奥さんがあまりに自分の事しか考えず、キムちゃんの事をうざったく言うクリスに、
「あなたの子を産んだ人よ」って制するところがあるんだけど、まじそれな!ですよ。
人はみんな、ある程度自分勝手だし、それはそうあるべき場面もあると思うから、仕方ないけど、クリスはキム(当時17歳)と出会った時、「子どもには何も出来ない」とか言いながらバッチリ手を出したり、自分とキムの間に生まれた子どもは引き取れないけど、教育は受けさせたいから、援助しようとか、アメリカンスクールを建てよう的な話もしていて、中途半端な偽善者っぽさが余計腹立つのかなぁと思いました。
まぁその偽善者っぽさが、他の欲望丸出しなアメリカ軍人たちからは浮いてたから、恋しちゃった訳だけどね~。
とにかく、
クリスのアホさ加減は置いておいても、これだけ観た後に色々と考えさせるミュージカルは凄いなと思うので、ミス・サイゴンはオススメです。
帝国劇場の後は各地を回るので、是非お近くの劇場へ~。
クリスいけめんじゃん!(役者さんじゃなくて、クリスそのものね)とか思う方もいるのかな~。興味あるわぁ~。